【2024-94】塗師さんから浄法寺塗を学ぶ(総合校舎)
地元の伝統工芸である浄法寺塗について学ぶため、美術の学校設定科目「ビジュアル・クラフトデザイン」を受講している3年は、浄法寺にある滴生舎さんの工房見学をしました。
ご講話いただいた馬場さんは美大で漆芸を学び、一大生産地である浄法寺に興味を持ち移住、以降は浄法寺塗の塗師さんとしてご活躍なさっています。
受講した生徒たちは、浄法寺塗の魅力や特徴を知り、生活を豊かにするデザインとは何かを学ぶことができました。ご講話や工房で作業されている塗師の方々の見学を通して、漆器といってもそれぞれの目的に応じて色々な素材や技法があること、その中で浄法寺塗は国産漆約8割生産という潤沢な地元の漆と、修復すれば長く使い続けることができる国産木を用いて木地師さんが一つ一つ使いやすさを追求した形状に削り、幾層にも漆を塗り重ねてできた作品であることに驚きを感じていました。
浄法寺塗を生活の中で使う人の喜びを思いながら、漆自体の性質や気候の僅かな変化を読み取り制作している様子に職人の技を感じ、現代に求められているものを作り続けていくことが伝統を広めることにもなっていると学びました。より一層、伝統工芸の素晴らしさに気付き、地元に愛着を持った時間でした。